低用量ピル以外のエストロゲン配合薬

閉経の平均年齢は51歳とされていますが、その時期に向かって卵巣から分泌されるエストロゲンをはじめとする女性ホルモンの分泌量は減少していきます。
女性ホルモンは妊娠機能を表象するだけでなく、身体の調子を整える役割も持っているのです。
そこで45-55歳前後の女性ホルモンが漸減することに伴い、自律神経失調症状や精神症状に悩まされることになります、これが更年期障害と呼ばれる状態です。
更年期障害による身体的精神的不調の治療は、主にエストロゲンなどを含む低用量ピルを服用するホルモン補充療法(HRT)が行われるのが一般的です。
経口投与に用いられるのは、結合型エストロゲン(CEE)やエストリトールなどのエストロゲン製剤が主要なものになっています。

エストロゲンの主成分はエストラジオールと言うもので、子宮内膜を増殖させて妊娠に備える、卵胞の成熟を促すなどの作用を持っています。
閉経に向かってエストラジオールの血液中の濃度も減少していくことになるので、この数値を検査すれば卵巣の機能を客観的に把握することが可能になり、更年期障害の程度を診断する指標にもなります。
エストラジオールの数値は生理周期によっても大きな影響を受けますが、一般に排卵期にピークを迎えて低減していき、次の生理に向かって上昇していくと言うサイクルになっています。

ところで更年期障害で卵巣から分泌される女性ホルモンが減少することで、身体のほてりや心理的不安定感、皮膚の状態変化などに見舞われることになります。
エストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)によって症状の改善を見込めます。
しかし低用量ピルは肝臓での代謝が必要になる上に、中性脂肪の増加や静脈血栓症などのリスクを高めることも知られています。
そこで飲むタイプの低用量ピル以外にも、これらの副作用のリスクを低減させるために、貼るタイプやジェルクリーム状の結合型エストロゲンも登場している訳です。

クリマラとプレマリンクリームの特徴

更年期障害のホルモン補充療法(HRT)には経口投与するタイプの薬以外の仕様も実施されることがあります。
クリマラは肌に貼り付けるタイプのパッチ状のホルモン補充薬になります。
これに対してプレマリンクリームは塗るタイプの軟膏になっているのです。
いずれも経口投与ではなく、皮膚や粘膜から結合型エストロゲンを体内に吸収させる特徴を持っています。
わざわざ経口投与ではない形で投与することにどのような意義があるのか、その特徴を考えて参りましょう。

クリマラは肌に貼るだけで、有効成分のエストラジオールが経皮的に体内に取り入れられていきます。
結合型エストロゲンの経口投与薬との違いは、吸収速度の速さにあります。
経口投与タイプでは服用後の吸収速度が比較的速く、血中濃度も短時間で高濃度に上昇することになります。
しかしクリマラでは皮膚を通じてゆっくりした速度で取り入れられていくことになる訳です。
結合型エストロゲンは肝臓で代謝されることが必要ですが、経口薬では消化管から肝臓へ移行するので、肝機能への負担が大きくなります。
ところがパッチタイプではゆっくりした時間をかけて肝臓で代謝されるので、肝機能への負担が軽くなるメリットを持っています。

プレマリンクリームは膣に塗る軟膏と言う点に特徴があります。
卵巣からの女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少すると膣粘膜が乾燥し膣炎や性交痛などの症状に悩まされることが多くなります。
このような症状には軟膏で局所的に女性ホルモンを直接塗布することで、より効果的に局部の症状の改善を期待することが出来ます。
もちろん経口投与でも同様の効果をもたらすものの、局所的書状をコントロールするには軟膏タイプの方が、より高い効果を発揮すると考えられるわけです。